MolCraftによる治療法の開発

ある程度進行したがんの治療は、外科手術・放射線照射・化学療法などのいろいろな種類の治療法を組み合わせて、総合的(集学的)に進められます。蛋白創製研究部では、同部がもつ人工タンパク質、人工ペプチド、ナノテクノロジーの技術を、これらがん治療の効果を高める目的で利用する方法や、あるいは全く新しい治療法につながるような研究を進めています。  

 

蛋白創製研究部は、クオリティーの高いペプチド・アプタマーを創製するノウハウを有しています。現在、このノウハウを活かし、また「直交性」に注意を払ながら、がん領域で活躍するペプチド・アプタマーの創製を精力的に進めています。これら「直交がんアプタマー」は、例えば、カーボンナノホーン等による薬物送達システム(DDS)と組み合わせることにより、化学療法の効果を高める技術の開発につながります。同じように放射性物質を内包したフェリチンやカーボンナノホーンと組み合わせることで、放射線治療への利用も考えられます。    

 

「直交がんアプタマー」は、ある種マイクロ抗体のようなものととらえることもできます。そういった意味では、「直交がんアプタマー」が、ポスト抗体医薬として、直接的にがん治療につながる医薬品として成長する可能性も考えられます。この場合、MolCraft技術を用いて、さらに機能を追加することも可能です。アポトーシスの信号伝達系モチーフと細胞移入モチーフ(PTD)を組み合わせて創製した人工タンパク質研究(Saito et al, Chem Biol, 2004; Saito et al, Cancer Sci, 2008)は、このような次世代biologicsを意識した基礎研究です。  

 

また、蛋白創製研究部では、MolCraftにおいてエピトープをモチーフとして埋め込むことにより、強い免疫原性を獲得させる技術を確立しています。この技術のがん免疫領域での可能性を、東京慈恵会医科大学との共同研究で進めています。 

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